【高校ラグビー】レジリエンス向上の練習方法と桐蔭の勝因について

ラグビー

レジリエンス向上の練習方法と桐蔭の勝因について

はじめに

前回の記事(高校ラグビー春の選抜決勝戦の勝因について)で、「筆者は桐蔭と東福岡の違いは”レジリエンスの差”」と書きました。今回はさらにこの内容をフカボリし、「高校ラグビーでのレジリエンス(※)を向上させるための練習方法」をテーマに追加記事を書きます。たぶん、オリジナル視点!だと思います。ラグビーを頑張る高校生がこの記事を見て、自分でどんな練習がいいのかを考える機会になれば嬉しいです。

(※)レジリエンスとは・・・・耐久力、再起力、困難をしなやかに乗り越え回復する力(精神的回復力)

レジリエンスを高める練習方法

これまでの流れから筆者が考える具体的な個を伸ばす(レジリエンス)の練習は次の3つです。

(練習A)【基本動作】
(練習B)【安定性】反則をできるだけ減らす(試合の流れをより悪くさせない)
(練習C)【共有力】「自分の要望やマークする選手」など他メンバーと即座に共有できる
(練習D)【予測力・判断力】判断力いつでも自分で考え・自発的に行動できる
D-1:ディフェンス D-2:攻撃
※以下に対応する練習A~Dを併記いたします。

順番に解説します。

 

(練習A)基本動作

基本動作については次で確認してください。
これで攻撃のランやディフェンスのタックルなどの基礎練習ですね。
攻撃のラン:W-スピンRUN・スパイラル反射
タックルやラックなどのサポートなど:重心の操作

同様な練習をクボタスピアーズの立川理道選手もしています。
年をとってもさらに実力をあげている立川選手の秘密がわかります!
W杯2015で大活躍した立川選手も基本を大事にしていたんですね!

(演習B)反則をできるだけ減らすための練習内容

一番重要である「①反則しないための練習」について考えます。

【参考】試合の流れからみた”一覧表”のラグビールールがわかりやすい!
オリジナル作成した、試合の流れから把握するラグビールールの一覧表です。ぜひ使ってみてください。

」」反則を少なくするには、時間は有限なので「よくある反則をしない」練習が効率的です。
まずは高校ラグビーで「よくある反則と練習方法」をまとめました。
これは筆者が試合を観入れていないです。
※上記の反則がわからないときは試合の流れからみた”一覧表”のラグビールールがわかりやすい!
を読んでください。試合の流れから把握するラグビールールの一覧表(オリジナル作成)です。ぜひ使ってみてください。

試合の流れをよくする最重要な練習は?~影響度と発生頻度から考える

これまで「レジリエンスを高める」練習方法を話してきました。

続いて、どのプレーが試合の流れを変え勝率に貢献しているのかを、その影響度と発生頻度から考えてみます。

下表をご覧ください。評価(=影響度×発生頻度)が大きい方が試合の流れにインパクトが与えているプレーであることが分かります。

例えば、影響が大きくても(影響度が大きい、最大10)試合では発生頻度が小さい(最小1)と、試合の流れにはあまり影響しないので、評価が下がります。
練習時間は有限のため、個人でのスキルアップ、全体連携の練習、頭の特訓などどこに力を入れていくかが大事なポイントです。

※ドライビングモール:ボールを保持しているプレーヤーを軸に密集ができ、味方のプレーヤーが力を合わせ敵プレーヤーを押し込むプレー
※インターセプト:攻撃側のパスしたボールを横取りするプレー

この評価点数を見ると、試合の流れを変えられるプレー(評価点が最大)として最も重視するのは・・・”タックル”になりますね。
予想通りって感じでしょうか。
リスク評価分析からも同じですから、さらに納得ですね。
観戦では、タックルに注目しましょう!

 

(練習C・練習D-1)具体的にどんなタックル練習がいいのか?

3つのポイントをあげてみます。前述の練習C、練習Bの内容ががここで出てきます。

  • (練習C)<攻撃/ディフェンスのコーリング>
    攻撃:自分の要望(パスがほしい)や他選手への情提供・指示(左から敵が来てる等)。他にキックした選手より前にいる味方はプレーNG(プレーするとオフサイドの反則)でキッカーに追い抜かれるとプレーOK(オンサイド)になります。オンサイドになった選手は「オンサーイ!!」といいながら前進したりします。
    ディフェンス:マークの確認。自分が相手のどの選手をマークかということを、味方にはっきり「あの選手を見る!)」と伝えるこれをノミネートと言います。
  • (練習D-1)いつでも自分で考え・自発的に行動できる予測力・判断力:実際にノミネートした選手にタックルすべきかどうか予測し判断する(ボールをもっていない選手にタックルしにいったら、ディフェンス突破されるおそれががある)
  • ボールを持って走ってくる選手を正面に捉えて、走る方向とは逆方向に倒すタックル<フロントタックル
    ボールを持った選手を横からタックルする(サイドタックル)だけだと一撃では倒せません。またパワーとスピードのある選手だとタックルを仕損じて、ディフェンス突破までされるおそれがあるので、おすすめできません。
    正面からあた、接点を前にもってくること(フロントタックル)で、敵は横からサポートできず、一度下がってタックルされた選手の後ろから入らないと反則(オフサイド:詳細⇒コチラ)になりますのでとても有効です。この時間稼ぎで、味方サポートがきて、ボールを奪いとる確率が格段に上がります。

 

タックル練習からみた桐蔭学園の勝因

決勝戦での桐蔭のタックルで言うと、以下の3つのポイントを行っていたため、勝利を手にしたと考えます。

①ノミネート
これは高校ラグビーでほとんどよくできていると思います。これを確認するには、ディフェンスの時によく声がでているかどうかです。
ラグビーが強いチームは、コミュニケーション量が特に多いと思います。女子カーリングチームも同じですよね。リーグワンのスカウターは大学の練習にみるときには、ラグビーの上手さとは別に、声をだすとか、コミュニケーションができているかもよく見ているようです。
ラグビーは一人のディフェンスの穴があればすぐにトライされてしまうので、一流選手になるためにはコミュニケーション能力はとても重要な要素です。

 

②予測・判断
今回の決勝戦で言えば、東福岡の初トライは桐蔭のノミネートの切り替えミスだと思います。
桐蔭はタックルすべき東福岡の選手の判断を間違い、トライされてしまいましたが、その後東福岡の戦術に早く対応・修正(予測・判断)できたことが桐蔭の勝因の1つと思います。
この個人の予測・判断が十分でないと、東福岡の圧勝となります。
以下の動画で、アタックしそうな選手がいきなり後ろにパス、ディフェンスの一人の選手をだませたので、横にパスすることでスペースができ、ディフェンス突破していることがわかります。
これが初トライですから、しっかり準備していた戦術です。これはリーグワンでも使われる高度な連携プレーです。さすが展開ラグビー(グラウンドを広く使って攻撃するラグビー)が得意な東福岡ですね!この後、この戦術に早く修正できたことは常日頃、桐蔭が判断のトレーニングを重点においているためでしょう。こう考えるとラグビーはフィジカルではなく、頭の使い方を鍛えることを考えるととても重要です。
以下をクリックして東福岡の初トライを確認してください。東福岡の高いレベルの攻撃はです。0.5倍再生でもわかりづらいので、0.25倍再生で観るのがおススメです。

 

③フロントタックル
東福岡の展開ラグビーでは、ボールがよく動くので、フロントタックルが難しいです。
というのは、敵が横に動くと桐蔭ディフェンスも横に動くので、通常サイドタックルとなります。一方桐蔭はどうしているかというと、フロントタックルをします。早く横に動き、前にでてタックルする時間を作るのです。これができるのはリーグワンでも高いレベルチームで、おそらく、圧倒的にディフェンス最強のパナソニックワイルドナイツなどの数少ないチームしかできていないと思います。
桐蔭は高校生なので、フロントタックルが完璧なわけはないですが、その意識でタックルを仕掛けているので、タックル後のターンオーバー(ボールを奪い取り攻撃へ)の確率が高く、試合の流れを好転させる機会が多くなります。
そのため、桐蔭はタックルのレベルをあげるために、レスリングのタックル練習(詳細はコチラ)を取り入れています。
これができるとラック攻防がとても有利になるため、重要な練習と思います。もしかしたら、東福岡の展開ラグビーを攻略できるのは桐蔭だけだったかもしれないですね。
そして、このタックルを習得した選手は大学でも早くからスタメンになりやすいと思います。

 

総合練習 練習:(A)基本動作・(C)共有力・(D-2)攻撃の判断力

オフロードタッチ:上記の総合練習
オフロードタッチ練習の動画はめちゃおもしろいです。以下をクリックして是非見てください!
桐蔭ラガーマンと小学生ラガーマンが対決!当然の結果と思いますが・・・笑
タッチなので安全です。

この練習を観てどう思われましたか?
戦術は対応されたらおしまいですが、判断力はいろんな場面で使え、応力が効くと思いませんか?いろんな場面、つまり敵が戦術を変えてきても対応できるということで、判断力アップはレジリエンス向上の練習ということですね!
戦術で時間をかけるよりは、この判断力を鍛えた方が大学でのラグビーだけでなく、普段の生活にも役立つと思います。
判断力は非常にシンプルでいいと思います。

神戸スティーラーズの日本代表にもなった李承信選手が対談で、冗談もありますが、サインプレーは覚えられないと言っていました。多く戦術があると集中力を保つのは大変だと思います。
この練習は個人の主体性アップ、他選手の連動性アップで、これこそ変幻自在な攻守で役立つ基本プレーになると思います。

練習方法と勝因のまとめ

1.練習内容
(練習A)【基本動作】W-スピンRUN・スパイラル反射・重心の操作・オフロードタッチ
(練習B)【安定性】反則をできるだけ減らす(試合の流れをより悪くさせない)
(練習C)【共有力】「自分の考えやマークする選手」など他メンバーと即座に共有できる
(練習D)【予測力・判断力】判断力いつでも自分で考え・自発的に行動できる2,よくある反則を防止するための練習

3.練習内容で最も大事なのはタックルです!

タックル練習は次の3つです。
①ノミネート
②判断
③フロントタックル
4.上記の練習内容からみた桐蔭の勝因
①判断の徹底練習:大学でのラグビーや普段の生活にも役立つと思います。
②フロントタックル今後もラグビー関連記事を紹介していきますので、見逃されないように、読者登録をおすすめします。
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他にもラグビー観戦に役立つ情報があります。⇒ラグビ記事一覧

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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