今回は「ベルギービールがなぜ有名でない理由」について紹介させていだきます。
まず最初にビールの分類からです。ビールを大きく分類するとラガーとエールがあります。
■ラガー
・15世紀頃にドイツで生まれ、チェコで改良され、摂氏10℃前後で発酵させて造られるビール。
・発酵が終了するとラガー酵母は発酵層の下に沈むため、下面発酵と言われています。
■エール
・8000年以上も昔から摂氏20℃前後で発酵させて造られるビール
・エール発酵が終了すると酵母が液面に浮上してくるため、上面発酵と言われています。
ラガーは日本、ドイツで主流のビールで世界中で作られていますが、エールは頑なに造り続けたイギリスとベルギーなど限られた世界です。
エールの中でもベルギーはエールの本家と言われているイギリスより特徴があって魅力のあるビールが多いです。
ではなぜエールビールの本家がイギリスなんでしょうか?
実は単純な話で、ベルギはマイナーな国(いまでは有名ですが、1950年初めまではマイナーで、九州の面積より小さい国)で外国人がベルギービールをあまり知らなかったからです。
多くの外国人にベルギービールが美味しいと知られはじめたのは、1957年ベルギーにEC(現在のEU)本部が置かれ、その結果、ベルギーはヨーロッパ経済の中心地になった頃です。
ちなみに、なぜEC本部がベルギーになったのかというと、EC本部はドイツ(ゲルマン民族)とフランス(ラテン民族)で言い争いが起こり、決着がつかなかったため、ベルギーの北(フランダース地方)にはゲルマン系で南(ワロン地方)はラテン系で小国だったため、EC各国が納
得しやすかった国からです。
それでも、ベルギービールは世界一といわれることがなかったのです。
というのも、ベルギービールにとりつかれた外国人は大々的に紹介しなかったため、それから10年以上も「ベルギービールの美味しさは知る人ぞ知る!」という状況でした。
そういう状況下で世界にベルギービールを広めたのは、世界的なイギリス人ビール評論家の「マイケル・ジャクソン」(あの歌手とは違います)です。
彼は次の著書で
①1980年初めに”The World Guide to Beer”に始まり、
②1988年に”The New World Guide to Beer”(邦訳:世界のビールの案内)でベルギービールの魅力の一端を紹介、
③1992年にベルギービールだけに焦点をあてた”The Great Beers of Belgium”(邦訳:マイケル・ジャクソンの地ビールの世界—多彩な味わい、ベルギー・ビール)を出したとき、ベルギービールの魅力の全貌が明かされました。
世界でベルギービールが有名になったのは30年前ぐらいです。
今でも日本ではベルギービールが有名でない理由について次回、紹介させていただきます。
彼はベルギービールを紹介する際に新たな分類をつくった偉大な功績があり、今でもよく使われています。
その分類についてはウィキペディアの内容を抜粋します。
マイケル・ジャクソンによるによるベルギービール分類法は、色や味からなる分類と製造手法による分類をミックスしたもので、9分類に分類しました。
①トラピストビール
修道院内部に醸造所を所有するトラピスト会修道院で作られているビールの呼称。
濃色でアルコール度数が高いものが多い。トラピストビールを名乗るには条件があり、2008年2月現在は7箇所のみが称号を名乗ることが許されており、そのうちの6種類はベルギー国内で醸造されるビールである。専用グラスは専ら聖杯型である。
オルヴァル(Orval)
シメイ(Chimay)
ロシュフォール(Rochefort)
ウェストマール(Westmalle)
ウェストフレテレン(Westvleteren)
アヘル(Achel)
②アビイビール
別名は修道院ビール、アベイビール。
かつてはトラピスト会以外の修道院でもビールの醸造は行われており、それら当時のレシピを元に民間で委託醸造されているビールの総称。傾向はトラピストビールに近い。著名な銘柄はレフ、マレッツ等。
1999年からはベルギー醸造者組合が、現存もしくは廃絶された修道院のライセンスにより生産するビールのみを認証アビイビールとしているが、非認証で独自のレシピにより醸造されるものもある。
③ホワイトビール
大麦に加え小麦または小麦麦芽を材料として作られたビール。
苦さは控えめで爽やかな口当たりと、ほんのりした酸味の為め清涼感に富む。色は淡い黄色だが、たんぱく質や酵母のため若干の白濁が見られる。白濁を嫌う場合はたんぱく質の比較的少ない冬蒔き小麦を使う場合もある。主な銘柄はヒューガルデン・ホワイト、ヴェ
デット・エクストラホワイト。
④レッドビール
熟成時にオーク樽を使うビール。
色は赤みの強い茶色。時に深紅とも表現される。甘酸っぱく爽やかな口当たりと芳香が特徴。著名な銘柄はローデンバッハ、デュシェス・ド・ブルゴーニュ。
⑤ブラウンビール
主にオースト=フランデレン州で作られるビール。
ブラウン・エールには様々なものがあるが、ベルギーで醸造されるものはオード・ブラインとも呼ばれる。
茶色で香ばしさと複雑な味に特徴がある。瓶内発酵を他のボトルビールに比べ、長く行ってから出荷される物が多く、銘柄毎の味わいの差は大きい。著名な銘柄は、リーフマンス オード ブラウン、リーフマンス グーデンバンド。
⑥セゾンビール
ベルギー南部のワロン地方で主に作られ、春に製造、貯蔵し夏に出荷されるビール。
夏場でも保存が利くようにホップが多く苦みの強い、ひき締まった味わいのものが多い。著名な銘柄はデュポン。
⑦ゴールデンエール
淡い金色のビール。
口当たりがまろやかだがビールの味がくっきりと強いのが特徴。ワインの表現を借りると“ボディが強い”ビールである。著名な銘柄はデュベル(Duvel)、デリリウム・トレメンス、ギロチン。
⑧ランビック
伝統的な自然発酵のビール。
大麦麦芽と麦芽化していない小麦を使用する。酸化した古いホップを使用し、オーク樽で数年熟成させる。熟成まで1、2年かかる。苦みは控えめで強い酸味が特徴。そのため他のビールとブレンドやフルーツを加え再発酵させる場合が多い。著名な銘柄はベルビュー
・クリーク、カンティヨン・グース、リンデマンス・グース、ブーン・グース。
⑨フルーツビール
フルーツを加えたビール。
果汁を加えてから再発酵させたフルーツ・ランビックが有名だが、近年は手間のかからない、ホワイトビールに果汁をブレンドしたカクテルに近いものも増えている。
チェリー(クリーク)、木イチゴ(フランボワーズ)が多く、その他ではカシス、青リンゴ、バナナ、桃、苺、パッションフルーツ、ミックスとバラエティに富んでいる。
以上、抜粋おわり。
ベルギービールの特徴となる分類は上記①、②、⑧、⑨です。
特に上記①と⑧はベルギーらしさがあります。
①トラピストビールは世界7箇所(2008年)のみで、ベルギー産は6箇所(残り1箇所はオランダ産)もあり、トラピストビールはベルギービールの代表格であり、本当に美味しいのでベルギービールが世界一といわれる理由の1つとなっています。
⑧ランビックはベルギーにしかなく、フルーツをブレンドさせて飲みやすくさせたりとベルギービールの幅を広げました。
もし酸っぱいランビックの虜になってしまったら、ベルギービールは一生の友になります。私はランビックの虜になった一人です。
次が最近購入したベルギービールです。ワインやシャンパンのような瓶ですよね!
次回は今でも世界一のベルギービールが日本で有名でない理由を紹介させていただきます。
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