このGWのパプアニューギニア(略してPNG)を旅行しました。
その事前勉強と現地で知った情報からパプアニューギニアはほんとに驚きの国でした
105ヶ国旅行した中、驚きが大きかった国はDRコンゴ、ジョージア(グルジア)、エチオピア、インドなどでしたが、パプアニューギニアはこれらの国以上に驚きの国でした
前回は驚きとして歴史について紹介しまして、今回は民族について、7つの驚きの民族を紹介いたします。
今回の旅行では④マッドマンをみました。
パプアニューギニアは800以上の部族があり、驚くべき民族のオンパレード。
それもそれぞれがかなり特徴があります。
日本人口はパプアの約20倍ありますが、1つの民族です。
①フォア族(フォレ族):人食い族
石器時代~20世紀までにパプアニューギニアの高地に住んでいるフォア族では、死者が出た場合、葬儀の参列者は死者の魂を慰めるために死体の肉を切り刻み、それをバナナの葉に包んで焼いて食べるという風習がありました。
2004年3月31日の毎日新聞では、フォア族は、かつて「クールー病」という病気によって、数千人が死亡していた時代があったと報じられました。
クールー病とは、手足が震え、方向感覚を失って歩けなくなる病気で、言語障害や痴呆になり、意識を失うこともあり、発病すると約1年で死に至るという不治の病です。
マイケル・アルパース教授の調査によって、クールー病の原因は、フォア族の風習である「人肉食」に深く関わりがあることが解明されました。
脳など、多くプリオンが蓄積されている部位を食するのは女性や子供の役割であり、教授の調査によれば、1957年以降クールー病で死亡した者2500人のうち、その80%は女性、18%は子供、成人男性は2%しかいないことから、人食いとクールー病の関連性が証明されました。
また、アルパートは1960年代半ば、11歳でクールー病によって死亡した少女から採取した脳組織をアメリカ国立衛生研究所のダニエル・カールトン・ガジュセックに送りました。
組織は、感染物質と共に2頭のチンパンジーに投与され、2年後、1頭のチンパンジーがクールー病を発症しました。
未知の感染因子がバイオマテリアルを通じて感染することと、霊長類の種を越えて感染したことを実証し、ガジュセック博士1976年度のノーベル生理学・医学賞を受賞しました。
以前、英国で狂牛病(BSE:牛海綿状脳症)が報告され、話題になりましたが、狂牛病のルーツはパプアニューギニアにあったといわれています。
1950年代、この地を統治していたオーストラリアがフォア族に対し、人肉食をやめるように命じ、1960年以降、この人肉食の風習は消滅しました。
食人族は恐ろしいと思われますが、死者の魂を弔うためですので、特異な風習と考えるべきと思います。
②アンガ族:ミイラ族
アンガ族は、親戚が亡くなる度に、死者の供養として、死者の指を切り落とし、死者の家で火であぶり乾燥させ、フィンガーネックレス(指の首飾り)をつくります。
女性が首にかけることで災難を避けられると信じられています。
他にはアンガ族は奇妙な方法でミイラをつくります。
アンガ族のミイラ作りは、古代エジプトのそれとは大きく異なります。
このあと、ミイラの写真やおそろしい表現がでてきますので、気にされる方は③アスマット族にうつってください。
エジプト人は、遺体を内側から処理し、内臓を取り除き、布で体を包みます。
アンガ族は、遺体を椅子に座らせた体勢で3カ月間絶え間なく燃える火の上でいぶし続け、遺体が膨張すると、木の棒でつついて体液を抜きます。
(引用:ナショナルジオグラフィック ウッラ・ローマン氏撮影)
ミイラ作りに携わる人々は、最初から最後まで常に遺体のそばについていなければなりません。
次に、棒を使って慎重に尻の穴を広げると、中から内臓が滑り落ちます。
体液や腸を含めて遺体のいかなる部分も決して地面に触れてはならないとされ、万が一触れてしまえば、不幸を招くと言われています。
20世紀半ばにキリスト教の宣教師や英国、オーストラリアの政府役人がやってくると、倫理や衛生に関わる問題としてミイラ作りは次第にすたれていきました。
ミイラが禁止されたことで、フィンガーネックレスが代替とも考える人もいます。
③アスマット族:首狩り族
(引用:ウィキペディアより)
アスマット族は祖先崇拝が中心で、殺した敵の頭蓋骨を枕にして休むと、祖先の霊が休まると信じられています。
現在首狩りの風習は、インドネシア政府の指導により絶えていますが、最後の首狩り戦士は1999年までいたとは驚きです。
皆さん、マイケル・ロックフェラーをご存知でしょうか?
彼は大富豪ロックフェラーの系統でハーバード大学で民族学を専攻し、ニューギニア・イリアンジャヤの部族に興味を持ちました。
特に、ダニ族とアスマット族の研究を行ない、彼らの木彫りの美しい美術品を収集するなどしました。
そのような中、1961年11月17日、仲間のオランダ人学者と共に研究から帰る途中、乗っていたポンツーンが風に煽られて転覆し、「助けを呼びに行く」と言って彼を残して岸へと泳いで行ったまま、消息を絶ちました。
息子の不明を知ったネルソン(アメリカ合衆国第41代副大統領)は直ちに現地入りし、大規模な捜索を行なわせたが発見出来ず、マイケルは見つかりませんでした。
首狩り族に殺され食べられたと報じられ、『首狩りと精霊の島 ロックフェラー四世失踪の謎』(ミルト・マックリン著)が書籍が出版せれ、日本訳まであります。
その後、ネルソンはマイケルが世界各地で集めた美術品をメトロポリタン美術館に寄贈しました。
ジョナサン・ヘンズリーは2007年、この事件をモチーフにしたオリジナルビデオ『実録・リアル食人族』を制作しました。
【中古】実録・リアル食人族 [DVD]/サンディ・ガーディナー、キャラード・ハリス、ヴェロニカ・シワク、ニック・リッチー、ジョン・レオネッティ、リッチ・モリス、ジョナサン・ヘンズリー 価格:8,517円 |
④アサロ族:マッドマン(泥人間)
■現地でのマッドマンショーの撮影動画
現地で撮影したマッドマン動画はこちらから
アサロ渓谷の部族は、戦いで弱く、敵に襲われると逃げていました。
ある時、敵に追われ、アサロ川の辺の沼地にはまってしまいました。
起き上がると敵が逃げているではありませんか!
転がって全身泥まみれの姿が亡霊のように見え、敵が逃げたことがわかりました。
それから、この部族は全身を泥まみれにして、敵を脅し、戦いに負けないようになり、この伝統がつづいたようです。
ここはPNGで一番観光化されていますが、実際に見てみると、ゆっくりな動きに不気味さを出してまして、弓矢を向けられたときは、ドキッとしました。
ショーの後は写真タイムもあり、また観光ずれしてると期待してなかったのですが、思ったより観光ずれしてなくて面白かったです。
⑤セピック族:クロコダイルマン
(出典:パプアニューギニア政府観光局ツイッター)
クロコダイルマンがいるセピック川は全長1,126kmに及ぶパプアニューギニア随一の大河です。
セピック川流域には昔からの文化を継承する小さな村が点在し、それぞれ異なる部族が生活しています。
この地域の興味深いところは、森羅万象に精霊が宿るとされる精霊信仰の存在です。
セピック族の一番の特徴は男子の成人式のイニシエーション(儀式)です。
その儀式は世界で一番痛いともいえるもので、竹やカミソリで皮膚を模様にあわせて削ぎ取り、皮膚をそぎ取った傷口に特殊な樹液を塗り、傷口を膨らませます。
その時は背中は血まみれです。
治癒した皮膚は後に、ワニのウロコのようになり、「クロコダイルマン」になります。
なぜそんな痛い目をするのか?
彼らは自分たちの祖先は「ワニ」だと信じており、成人するためにはこの儀式を通過することで、セピック族の精神や魂が宿るという考え方があるからです。
クロコダイルマンはとても女子にもてるのですが、最近はこの儀式をしない男子が増えているようです。
さらにセピック族の文化は独特で、彫刻は「セピックアート」と呼ばれ、世界各国の芸術家、学者の間で注目されています。
そのため、パプアニューギニアは“プリミティヴ・アート大国”とも呼ばれています。
(出典:パプアニューギニア政府観光局HPより)
漫画家水木しげるも「セピックアート」に魅了され、収集家でもありました。
⑥フリ族:ウィッグマン(カツラマン)
(出典:パプアニューギニア政府観光局ツイッター)
フリ族の特徴は、豪華なカツラ(ウィッグ)。
フリ族のいるタリでは近代文明(欧米文化)との初めての接触(ファーストコンタクト)が1950年代ということで、秘境中の秘境といえる地です。
成人の儀式として、髪を約2年伸ばし続け、学校で自分の髪によるカツラを作り方を教えてもらいます。
入学金は現金か(約8000円)かそれ相当の豚で支払い、卒業まで1年8ヶ月もかかります。
校則をやぶると退学となり、カールが乱れていただけでも退学になるようです。
カツラ学校の入学条件がおもしろいです。
入学条件
・17~18歳の男子か?(戸籍がないので、パプア男性が年を言っても怪しいです)
・入学を希望するか?
・童貞か? (なんだこれは?)
この条件を口頭質問でYESといった人だけが入学できます。
校則は外出許可は、親の葬式か、他部族との戦闘のみと厳しく、戦闘があるのも興味深いです。
20ヶ月後、膨れあがったカツラを整え、盛大に装飾して卒業します。
今は自給自足では行けていけないため、現金が必要なため、カツラは市場で売られています。
残念ながら、国外持ち出し禁止のため、日本に持ち帰りたいなら、自分の髪でつくるしかないです(笑)
他にはフリ族は未亡人が全身を真っ白に塗ったり、亡くなった親族をカゴに入れ、肉が落ちるまで放置し、残った頭蓋骨に生前と同じ化粧を施して自宅に飾り、一緒に過ごします。
⑦オモマサライ族:スケルトンマン
(出典:パプアニューギニア政府観光局ツイッター)
世界の果てまでイッテQ! のイモトが扮したガイコツ人間。
ニューギニア島シンブ州にいるスケルトンマン。
伝説で悪霊と戦うために悪霊になるとい起源がある民族で、素早い動きから繰り出される、ダイナミックな「マサライ・スケルトン・ダンス」が見ものです。
次回はPNG驚きとして、文化・風習・言語編を紹介させていただきます。
■パプアニューギニアの全記事は次からご覧ください。
- 最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
コメント
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期待を上回る内容有難うございます!!
とんでもないとこですね笑笑
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期待を上回る内容有難うございます!!
とんでもないとこですね笑笑
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>yuuca-11さん
日本は一民族、パプアニューギニアは800以上の民族。一部の7つだけでもヤバすぎですよね(笑)
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>yuuca-11さん
日本は一民族、パプアニューギニアは800以上の民族。一部の7つだけでもヤバすぎですよね(笑)