ブータンの光と影①～なぜ幸福感が高いのか？～

　日本人は結局、頼りになるのは、”お金”、”自分”と思って、将来に不安を感じている人は少なくないように思います。

②モノにあまり関心がなく、目に見えないことに幸せを感じられる。

　アントワーヌ・ド・サン＝テグジュペリの”星の王子さま”の中の名言として、「大切なものは、目に見えない」があります。

　ブータンはチベット密教および大乗仏教を世界で唯一国教としている国で、仏教は政治の基盤をなしています。

　そのため、仏教では物欲は当然NGで、毎日、よい行い、心の鍛錬、徳をつむことが重要視されています。

④盗む人やひどい事件がほとんどない。

　チベット密教は生まれ変わる（転生）することが信じられ、悪いことをすると、修羅道（常に戦いで怒りと苦しみが絶えない世界）、畜生道（牛、虫などになる世界）、飢餓道(常に飢えに苦しむ世界）、地獄道の４つの道（四悪趣とよばれています。修羅道は善とし、三悪趣という場合もあり）にうまれかわると小さいころから教えられます。

　これは六道といわれ、上の４つの道以外に、天道（天人が住む世界）、人間道（人間が住む世界）があり、お寺には下写真のような六道がよく描かれています。

　また、転生では、先祖が蚊に生まれ変わっているかもしれないのです。だからブータンは生き物への殺生はNGで、農作物も無農薬になります。

⑤幸せと考えるとき、”周りの人が幸せか？”を考える。

　ブータンは周りの幸せなくして、自分の幸せはありえないと考えています。

②無形なことで幸せを感じられる。

　無形なことで幸せを感じられるのは、仏教、先生、親などから教わっていることもありますが、ブータンには産業のほとんどが農業で、約50年前までは鎖国で、家電製品などの物欲がわくようなモノがブータン国内にほとんどなかったからです。

　そのため、モノへの誘惑は少なかったですが、今は海外からの輸入品が増え、便利・快適なモノを最近、知り始めたのです。

　これから、互助の精神によって、便利・快適なモノをお金がないのにローンでスマホ、エアコン、大型TVなどを買ってしまう人が増加しているのです。

　これから、経済発展と「互助の精神や無形への価値観の維持」の両立がブータンの課題と考えています。

③国王と大臣達への信頼感が高い

　信頼感を高くするために、国民や外国旅行者への情報統制をしています。

　今のブータンの問題として、南部問題（ネーパル系ブータン国民への国籍はく奪、民族浄化）、格差社会の拡大、アルコール乱用による病死、水力発電建設、道路建設に伴う環境破壊のリスクなど様々ですが、国民に正しい情報が伝わっていないように思いました。

　ちなみにこのことをガイドさんに説明しましたが、彼はGNHの１つである環境保護には関心なく、経済優先の考え方になってしまっていて、国の発展には水力発電と道路建設が必要ということでした。

　また、外国人旅行者はガイドなしで観光できないようになっていて、国が下記の公定旅行代金を納め、内国税と手数料６５ドルを差し引いた金額を旅行会社に支払われます。

参考：一人部屋使用の公定旅行代金（内国税と手数料65ドル含む）

ハイシーズン290ドル、オフシーズン240ドル

旅行会社は65ドルを差し引いた金額でホテル代、食事代、現地人ガイド料、国内移動をまかなえばよく、上手に経費を抑制すれば、利益が多くなることになります。

国のロイヤリティは約２５％ととても高いですが、問題なのは外国人に観光させる場所を制限させ、常に監視状態に置いていることです。これはブータンでは１，２時間の自由時間があるものの、ガイド同行の観光ということで北朝鮮と同様です。

このように情報統制して、政府は外国人観光客の流入による負の側面をガイドによって確実にコントロールし、さらにはブータンのいい面しか見せないことで、小国弱小であるブータンのよき理解者やファンを増加させるという側面もあります。

④盗む人やひどい事件がほとんどない。

■記事のつづきは次をクリックしてください。

　http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11988609368.html

■2015年ブータン旅行記の記事は次をクリックしてください。

　http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11076468738.html

ブログ村でランクアップ挑戦中

下記クリックで応援して下さい<m(__)m>　ブログを書く励みになります

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。