韓国時代劇に役立つ官位の一覧表

ドラマをより楽しめるオリジナル情報

韓国時代劇の視聴で官位がわからない方に、よりドラマを楽しんでもらえる様、朝鮮王朝の官位（品階・階位・階級・官職・役職）表をオリジナルで作成しました。

朝鮮の品階制度は中国の官位制度を元に作られましたが、韓流時代劇によくでてくる官位・職責を選定して、官位一覧できるように表にまとめました。
さらに、「ふりがな」も併記してドラマ視聴に役立ていただけるようにしております。

■官位・品階・階位・階級・官職・役職の一覧表

王、中殿（王の正妻）、大君（中殿の息子）、公主（中殿の娘）、王世子（次の王）、君（側室の息子）、翁主（側室の娘）などは無冠です。※印は表の下で詳しく説明しております。

※１議政府（ウィジョンブ）
　最高行政機関で、国政運営を協議し、王の裁可を仰いだうえで行政実務を分掌する六曹へ指示しました。現代の国務総理に相当する行政の長・領議政（ヨンイジョン）とそれを補佐する副首相相当の左議政（チャイジョン）と右議政（ウイジョン）は、三公（三政丞）と称され、宰相として国政を統括します。ドラマで「宰相」がでてきますが、宰相は領議政、左議政、右議政の三役を指しています。

※２　六曹
　下記の権能に応じた司法権が付帯し、判書(パンソ)は日本の各省庁の大臣・長官、参判(チャムパン)は各省庁の事務次官にあたります。

• ①吏曹(イジョ) – 官制と人事担当
  　科挙合格者のうちから最も優秀な人物を選抜し、その合格者からの中央あるいは地方の官職への任命、人事管理、罷免などの任務を負います。　ただし八道の知事のような要職や高官の任免は閣議を経て国王が決定します。
• ②戸曹(ホジョ) – 財政担当
  　貨幣の鋳造のほか、人口調査や、道あるいは郡県ごとの租税や貢納の割り当て、出納の監督、帳簿の点検、不当徴税の禁止、凶作時に対する備蓄などの対策に関する任務を負います。
• ③礼曹(イェージョ) – 王室業務・儀礼担当
  　科挙を施行する他、王室業務ならびに国家の祭祀に関する業務の全般、公的な場における礼儀作法の監督、儒教の民衆への強化などに関する任務を負います。
• ④兵曹(ピョンジョ) – 軍事担当
  　武官の選任、徴兵、軍需品の調達・管理、王宮の警護、儀仗、歩哨などの任務を負います。
• ⑤刑曹(ヒョンジョ) – 刑事担当
  　刑法の遵守や裁判所の機能と監督などに関する任務を負います。
• ⑥工曹(コンジ) – 公共事業その他の社会事業担当
  　宮廷・公共建造物・交通路等の普請や維持管理、商工業一般を担当する任務を負います。

※３中枢府（チュンチュブ）　
　特定の職務を持たず、文武の堂上官としての役目を持っていない人を所属させて待遇していた機関です。

※４承政院（スンジョンウォン）　
　王の命令や決定事項を対外的に公表伝達したり、逆に下々から寄せられる上訴など外部から寄せられる意見などを王に伝える役目の部署です。よくドラマで国王が対外公表したいときに「都承旨を呼べ」と言ってますね。

※５内医院（ネイウォン）
　「三医司」という3つの医療施設の１つで、宮中内の医療施設です。他の２つは一般庶民の病気治療する恵民署と、医者の選抜・教育や薬剤の管理などを行う典医監があります。

※６忠勲府
　外戚や功臣などが属し、その最高位の府院君は中殿(王の正妻)の実父、格別の功績がある功臣がなったりします。『女人天下』の中殿（文定王后尹氏）の実父ユン・ジイムは府院君です。「君」と言う称号は王子・王族以外にも使用されます。

※７宗親府
　王族（宗室）が属します。ただし、王の嫡出子は大君の称号をもち、品階（位階）制度の上にあって無品です。

　国王は廃位されてしまうと、燕山君（第10代国王、1494-1506年在位）、光海君(第15代国王、1608-1623年在位）のように無品から君となり、この官職名に由来しています。

　功臣の子弟や外戚は成年すると自動的に忠勲府や宗親府に配されるため、科挙を合格しなくても官品を受けることができ、まず役職を授かってから科挙に合格して官吏（官僚）になることが多かったようです。

※８内命婦（メイミョンブ）
　階級は『後宮』と『宮女』に分けられ、後宮は従四品以上、宮女は尚宮（サングン）は正五品の位で、女官であると、正五品より上にはあがれないことになります。

　王と同寝した(お手付きがあった)女官が側室(従四品以上)にならなかった際はその女官は承恩尚宮（スンウンサングンまたは特別尚宮）として正五品になりました。

　『トンイ』では、監察府（カムチャルブ）女官のトンイは王と床を共にした後、承恩尚宮、淑媛（スグォン：従四品）、淑儀（スギ：従二品）、淑嬪（スクピン：正一品）となりました。

ちなみに、品階のない女性は下記があります。
中殿（チュンジョン）　：王の正妻
公主（コンジュ）　　　：王の正妻が生んだ娘
翁主（オンジュ）　　　：側室が生んだ王の娘
大妃（テビ）　　　　　：先代の王の正妻
大王大妃（テワンデビ）：先々代の王の正妻
嬪宮（ピングン）　　　：王世子（次の王）の正妻

※９　これ以降すべて(従九品まで)ナウリです。時代劇では、ナウリは「お役人様」「旦那様」などにも幅広く使われます。

※１０　従六品まで青で、正七品から従九品まで緑です。ドラマで国王と対面している時、服色が赤、青、緑の人がどこにいるかを観察すると面白いと思います。

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