謎に包まれた金谷城主郭部がついにベールを脱ぐ!

◎山城
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次の前回の記事が内容が豊富でしたので、今回、ダイジェスト版として編集しました。スクープ!謎に包まれた金谷城・主郭の記事の初発信!

今回、海城サミット2023in Chibaで、金谷城の主郭がTJKリゾート金谷城のご厚意で、ついに特別公開されることになりました!
筆者は③の”山城ガールむつみ”さんツアー(35名満席)に参加しました。
(②の2回の公開で計80名のみでしたが、2回目は強風のため、中止とのことでした。)

金谷城は里見実堯の本拠地でした。里見実堯は稲村城で殺害され、稲村の変(天文の内訌)の発端になったことで有名です。

金谷城は江戸湾に面した海城として、勝山城、岡本城ともに里見氏の重要軍備地点で、自然要害をうまく利用した素晴らしい縄張りをもつ山城です。
主郭での遺構は圧倒的に素晴らしかったです!

金谷城の位置
金谷港からみた金谷城の全景写真 ※千葉城郭保存活用会”より写真提供
中腹にホテル(二ノ郭)があり、頂上の平な部分が金谷城の主郭
戦国時代では木がなかったと思います。そこに柵が張り巡らされ、人や旗がたくさんあったら、みなさん、攻めようと思いますか?危険な城で、攻めるのは気乗りしないですね。

TJKリゾート金谷城(中央)と金谷城主郭(右の山頂平地部分) ※TJKリゾート金谷城HPより引用

金谷城の縄張図 主郭以外(二ノ郭、根古屋、三ノ郭など)はTJKリゾート金谷城・体育館・駐車場・観光施設などとなり、主郭と二ノ郭の城門が現存してますが、ホテル宿泊者でも非公開となっています。金谷城の縄張り図(設計図)です。

出所:金谷城の特徴的留意点について(”千葉城郭保存活用会”より提供)

主郭部の拡大図に、写真撮影位置がわかりやすいように番号を追記

これから写真紹介をします。上図の番号と合わせて見やすくしております。
筆者は攻める側の立場で見学します。
皆様も山城を見られる際は、山城を攻める気持ちでみれば、より山城が楽しくなるかと思います。

ここまでくるにはここを所有するホテル(TJKリゾート金谷城)に入口の鍵を解錠してもらう必要がありますので、基本、非公開となります。(今回、TJKリゾート金谷城のご厚意で公開となった経緯は文末で紹介します)

①:ホテル(二ノ郭)からはいるとすぐにこの光景。急であり、上から様々の角度から矢や石が飛んできます。攻めるには怖い。。。ここはヤバいからさけて他の場所を攻めようって気になりますね。

②少しあがってきました。ここは曲輪(守備を有利にするための削平した広場)と思われ、整備されていないです。ここの広場に柵をたて、通路を狭くされ、柵の内側から先がとがった竹棒で待たれていたら、その狭い通路を通過しようなんて思わないですよね。かならずやれてしまいます。戦意喪失!

さらにすすんでいくと、写真中央のうっすらとした④通路。皆さん、この通路を通りますか?

右上の⑧北側物見から矢が飛んできて、やられしまいます。回避して右の北側物見にも上れそうにもないです。ここは危ないので他の場所を攻めましょう!

⑥南側物見から③曲輪を見下ろした風景。高低差が8mぐらいあります。

さきほどの通路をやめて前にすすんだから、上写真の人がいるところに行きつきます。ここ(この写真撮影場所)からも弓矢で攻撃されますので、ここもヤバいところです!

⑥南側物見からみた③曲輪を見てます。⑤土橋を通るのは危ないので、ホテル側スタッフから写真の梯子で上り下りするようにとの指示がありました。

上写真で勇気をだして(人がいるところから)登ろうとしたら、ここ(南側物見)から矢がとんできます。かなり高低差があり、登りでぐずぐずしてると確実に矢にやられます。

⑤:主郭部内での土橋(主郭中心部と物見台をつなぐ通路)で、かなり細く、両側とも切岸です。

ここを通るのも危険です。道は細く、一人ずつしか通れないため、一人ずつすぐにやられてしまいます。

この土橋は通りたくない、上写真のように下から登りたくないとなれば南側物見は少ない兵で守れますね。

⑥主郭南側の物見です。ここには明治時代に作られた砲台のあとがあります。

堀切:南尾根からこの⑥南側物見に来れないように堀切があります
南尾根からここまで来るまでたいへんなのですが、堀切を造るほど念入りな防御になっています。

山城を攻めるときには弓矢や投石や意識面で有利なように、なるべく上にいたいため、尾根をとおることが多いです。したがって山城の設計では尾根でどう敵を倒すか、敵をどう通らせないようにするかがポイントとなります。堀切があると一度降りて、またあがるので、その間に上にいる敵がら竹棒で刺されてしまいますね。
このように山城は土木工事によって防御性を高めています。

③曲輪から⑤土橋(人がいます)を見上げた風景。

上には、土橋沿いに柵をたてられて、弓矢、先がとがった竹棒、石をもって敵がいます。あなたならどうしますか?ここを登りますか?上ったとしても柵をすぐに倒せますか?柵を倒す間にも・・・
この単純な地形(簡単な土木工事)でも柵をたてることで、敵に恐怖心をあたえられますよね。

⑧北側物見からきた北の風景(金谷港)こちら側に大手門があったと推測されています。このように港を監視しやすいので、敵が来てもわかりやすいですね。下の建物あたりが二ノ郭です。この山城(海城)は広いですね。

⑧北側物見からきた北の風景(金谷港)

⑧北側物見からきた北の風景(金谷港)

⑧北側物見からみた⑨西尾根。この尾根は細く・長いのでとても魅力的です!ここを尾根を通るのも危険ですね。やられてしまいます!
最後に上述した④の通路からこの尾根を先に行っていますので、あとで説明します。

⑧北側物見の西端から北側物見(中央)をみてます。

もし貴方が下(ニノ郭)から北側物見を攻めるとして、上には敵がいる、この急な坂を上ってきますか?登りながら、しんどいと言ってる間にやられてしまいますね。

⑩北尾根です。時間があれば降りてきたいです。この尾根も魅力的です。ここも西尾根と同様に敵がくるルートですね。

⑧北側物見を降りて、上述した④の通路を通って、振り返ったところ。ここを通るのはかなり危険です!必ず、やられてしまいます。(この前の道は危険ですので筆者のみ見学)

⑪北西曲輪からみた景色。富士山、三浦半島がきれい見えます。美しいですね!(ここまでくるのは危険なため筆者のみ)

この金谷城は遺構がわかりやすいこと、景色が日本の山城の中でも最高レベルです初心者の方でもとても楽しめる山城・海城だと思います!
それも山城と海城が一挙に楽しめるのはお得ですね!

⑪北西曲輪から北西にのびる尾根。美しいです!ここまで読まれた方はこの道のヤバさはよくおわかりになりますね。ここを通ってきたら、必ず、一人ずつ、やられてしまいます。
この先は下に降りづらい感じでした。(ここまで来るのは危険ですので筆者のみ見学)

以上、番号をつけて遺構の位置がわかりやすいようにして、実際の攻撃・防御を考えて説明いたしましたが、いかがだったでしょうか。
ここまで読まれた方は、山城の理解が深まっていますよね。
今、下の設計図(縄張図)をみると想像がふくらんできませんか?

ここから攻めて行ったらどんな防御があるんだろう?ワクワクしませんか?ちょっとした地形調査者みたいになりますよね。

さぁ、山城に出かけてみましょう!

山城候補地探しのご参考にしてみてください。
【関東】行ってよかった山城ランキングベスト20
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このように主郭の写真と説明をインターネットでみられるのはこの記事のみだと思います。(2023年2月27日時点)

今のところ、金谷城・主郭部の公開はまだ予定がないとのことです。
”千葉城郭保存活用会”の代表の方、富津市観光課などから、公開情報がでましたら、報告いたします。

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最後までよんでいただきありがとうございます。

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