電力自由化の影響～新サービスの登場～

　このトリプルセット割は「日経トレンディの2016年ヒット予測のＮｏ１」になっています。

　セット割にすることで、他社への乗り換えが防止できるため、利益を減らしてでも企業は顧客を囲い込みたいため、トリプルセット割はお得になる場合が多いです。

　新電力への加入を考える場合、毎月支払っている会社をあげて、そこがセット割をしているかを確認されるのもいいと思います。

　セット割の他に生活サポートサービスが充実します。

　サービスマンを多くかかえる会社（ガス会社など）はその人員を活用して、電気を買ってくれるお客様には特別な生活支援サービスを提供してくれます。

　例として、東京ガスでは、生活まわり駆けつけサービス（400円/月）を2018年3月まで無料にする特典をつけています。

　このように東京ガスのような1000万世帯以上の大きな顧客ネットワークをもつ会社はそのサービス体制を活かして電気小売事業に参入しています。

　ちなみに来年はガス自由化で、東京電力も参入予定で、ガスと電気会社は戦国時代への突入です。

　実は電力会社はＬＮＧ（Liquefied Natural Gas 液化天然ガスの略）の輸入量は多く、日本のＬＮＧ輸入量ベスト５は次のとおりです。

　１位　東京電力（約２９％）

　２位　中部電力（約１６％）

　３位　東京ガス（約１４％）

　４位　大阪ガス（約１０％）

　５位　関西電力（約８％）

　今後、ＬＮＧの大量輸入によって低コスト化しやすい大手電力会社のガス事業参入がガス代に影響してくると思われます。

　電気の話に戻って、電力自由化になると、以前の記事でＨＥＭＳ（ヘムス）という電気のみえる化する機器が普及することを説明しました。

　ＨＥＭＳについては次から見られます。

　http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-12126108192.html

　まだ、HEMSメーカーの１社だけですが、ＨＥＭＳを活用した生活支援サービスを無料で始めました。

次のようなことが2016年9月できるようになるようです。

・子供帰宅お知らせ

・エアコンの消し忘れお知らせ

・洗濯機運転終了お知らせ

・食洗機/洗濯機/炊飯器の運転開始忘れお知らせ

・エアコン/エコキュート/空気清浄機の遠隔操作

　これによって、子供やペット（宅外での室内温湿度確認とエアコン操作）の見守りができたり、電気の無駄遣い（子供のエアコンの消し忘れ、家族旅行中のエコキュート消し忘れなど）の対策や家事のしわすれを教えてくれたりと生活支援してくれ、それも無料なので、お得なサービスです。

　他のHEMSサービスとして、国の2030年ＨＥＭＳ全世帯普及方針のなか、国はＨＥＭＳから取得したビックデータ（大量のデータ）を活用した新しいビジネス創出も推進しています（ 大規模HEMS情報基盤整備事業）。

　その大規模HEMS情報基盤整備事業には、セブン＆アイ、TUTAYA、楽天（クーポンをもらってお出かけ＆節電）などが参加し、実証実験中のため、ＨＥＭＳの利用価値が高まりそうです。

■セブン＆アイ（節電情報とポイント配信サービス）の例

■TUTAYA（地域情報・クーポン配信サービス）の例

　また、福岡県みやま市、福島県会津市（節電ランキング・節電アドバイス）など行政が中心となったHEMSサービス開発や神奈川県川崎市（節電情報とポイント配信サービス）、三重県桑名市・四日市市（地域情報・クーポン配信サービス）などの行政協力も注目すべきところです。

■福岡県みやま市（高齢者見守り・健康チェックサービス）

　ＨＥＭＳは家のでんき情報を通じて、家と行政や企業をつなぐ役割があり、実証実験内容は次から見られます。

　http://www.ienecons.jp/pdf/iene_book.pdf

　他にも将来のHEMSサービスとして、電力会社の電力不足時に節電すると、その節電量を発電量としてみなし、お金・ポイント・クーポンが もらえる仕組みです。

　この仕組みは前の記事で紹介しました「ネガワット取引」で、詳しくは次から見られます。

　http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-12128627074.html

　ご参考として、国が作成したネガワット取引のガイドラインは次で見られます。

　http://www.meti.go.jp/press/2014/03/20150330001/20150330001-2.pdf 　

　節電（お出かけも含む）するとお金などもらえるネガワット取引は新電力の電力不足対策として重要な位置づけにあり、新電力が育っていく上で必要と考えています。

　以上から、電力自由化からできた新電力は電力不足解消の対策として、ＨＥＭＳを通じてお出かけや節電を呼びかけるため、「提携した会社（楽天やコンビニなど）からのクーポン配信」や、「節電量に応じた報奨」の仕組みが重要になります。

　さらに他社との差別化のため、付加サービスとして、見守り、健康チェック、節電アドバイス、地域情報発信などが新電力と連携した会社から広がってきます。

　以上のことや生涯ローンを減らすことができるＨＥＭＳは、今後、私たちの生活に浸透していきそうです。

　次回は、電力自由化の変化として、「各発電（原子力、火力、再エネ）の盛衰」について説明したいと思います。

■つづきは次からみてください。

　http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-12131143498.html