先日、アフリカンアートミュージアムの伊藤館長じきじきのギャラリートークに参加しました。
このミュージアムは日本唯一で世界有数の素晴らしい美術館です。
また、今回は伊藤館長の特別な計らいで写真撮影のご許可がいただけため、アフリカ美術の紹介させていただきます。(この記事の写真はSNSなどの拡散はご遠慮をお願いします)
写真による紹介の前に、まずはアフリカ美術のご紹介です。
「アフリカ美術(アフリカンアート)」は北アフリカ・東アフリカ・南部アフリカを除く、西アフリカ、中部アフリカ(ブラック・アフリカ)美術で、次のような特徴があります。
①デフォルメ – アフリカ美術は写実的なことやシンメトリックなどの規範にしたがってつくられる「西洋」とは違い、視覚的抽象的・デフォルメで表現されています。
②彫刻の重視 – アフリカンアートは2次元の作品よりも3次元の作品を好む傾向にあります。
③マスクの重視 – ブラック・アフリカは精神性を重視しているため、祭祀やアミニズム信仰により神や祖先とのコミュニケーションの代役として、様々の種類の仮面が作られました。
20世紀の初め、ピカソ、マティス、モディリアーニなどは新しい芸術の探求の中で、アフリカ彫刻から深い感銘を受けました。
アフリカ民族的な仮面や彫刻を美術作品として分析・研究されたのはキュビスム運動が最初でした。
ピカソが1907年から1909年の間、アフリカの美術と彫刻に基いた多くの作品を残しました。
まずは展示風景です。
これからアフリカ美術品の紹介です。
今の展示「異形の美術」のメイン展示品(パンフレットの表紙)です。
キフェベマスク(コンゴ民主共和国) ソンゲ(木造) 長さ520mm
これは縞模様があり、男のマスクで喧嘩好きなシマウマやアンテロープからイメージされ、男の成人儀礼に激しい踊りで女や子供を追い払います。
ちなみに女のマスクは顔のほとんどが白にぬられています。
人頭の頭上面 エコイ(ナイジェリア)木、皮 高さ680mm
クロスリバー周辺の民族のマスクは動物の皮を表面に張ってリアリティになっています。エコイのマスクは特に有名です。昔、この地域の民族は敵のチーフの首を取ったとき、その戦勝祝いの席でその首をのせて踊っていました。ヨーロッパ人がそれを禁止したため、その代わりに頭上面が作られました。館長がオークションにもしでたら、800万円くらいいくかもといわれていました。このミュージアムに入って一番目立つ位置におかれています。
プウォ マスク チョクエ(アンゴラ) 木、布、ラフィア、草、ガラスケース 高さ20mm
プウォは女性の先祖の霊を表し、このマスクをかぶった踊り手は女たちの子宝がさずかるよう祈り、しとやかに振舞うように教えます。
マスク ゲレ(コートジボアール) 木、貝、ラフィア 長さ440mm
このマクスは村で問題が起こったとき、その犯人を指し示すときに使われるものです。
これをかぶったら、嫌いな人をさしそう・・・
人物の付いたマスク グルンシ(ブルキナファソ) 木 長さ935mm
グルンシはすべての神「ス」を呼び、敵の撃退、安産、幸福をもたらすとされています。
キポコ マスク ペンデ(コンゴ民主共和国、ザンビア) 木、高さ290mm
このマスクはチーフの病気、伝染病、飢餓といった問題が起こったときに登場します。眼や鼻や耳が大きく強調され、仮面をかぶった者が村のすべてを知っていることを表しています。
王のマスク パミレケ(カメルーン) 木、高さ460mm
以上が仮面でした。次はブロンズの作品です。
こういったものはアフリカンアートでは多くなく、珍しいです。
というのも西アフリカの多くで非常に価値の高いものになり、ベニンのブロンズのように宮廷美術家や王室に認められたものだけに限定されるなど、希少価値が高いです。
テキスタイルです。アフリカ美術は同じものの繰り返しはよくなく、それぞれを微妙に変化をつけることが基本です。ここが西洋やアジアと大きく異なります。
みなさん、アフリカンアートはいかがでしたでしょうか?
■一般財団法人アフリカンアートミュージアム情報
〒408-0036 山梨県北杜市長坂町中丸1712-7
TEL:0551-45-8111
開館時間:9:30 -17:00 入館は16:30まで
休館日:祭日を除く火曜・水曜 (7月・8月は無休/12月~3月は冬季休館)
入場料 大人:700円 中学生・高校生・大学生:600円 小学生以下で親同伴の場合は無料
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