Google検索で1番目の表示(サウジアラビア歴史)となっている人気のブログをリニューアルしました。
今回はアラブの王室、アラブ諸国、石油、戦争、イギリス、アメリカ、アラビアのロレンスの観点から、サウジアラビアの歴史について書きたいと思います。
サウジアラビア(正式名称はサウジアラビア王国)の意味は「サウード家によるアラビアの王国」でサウード家を国王に戴く絶対君主制国家です。
現在は世界一の原油埋蔵量を誇る国であり、世界でも有数の裕福な国ですが、1938年3月に油田が発見され、1946年には開発が本格的に始まるまでは、非常に貧しい国で世界では目立たない国でした。
では、サウード家についてですが、サウード家自体は1744年からの新興部族で、エジプト、オスマン帝国、他のアラブ部族と争い興亡を繰り返し、徐々に勢力を伸ばしました。
サウード家はイギリスのインド総督府※1の支援を受け、1925年にアブドゥルアズィーズは最大のライバルであるハーシム家※2(あの有名なアラビアのロレンスがハーシム家のヒジャーズ王国の建国に貢献)を倒し、1927年にジッダ条約によってイギリスはアブドゥルアズィーズの領域(ヒジャーズ・ナジュド王国)の独立を認めました。1932年に主要地域のハッサ、カティフ、ナジュドそしてヒジャーズを統一して、現在のサウジアラビア王国が成立しました。
※1イギリス・インド総督はサウード家を、イギリス・カイロ領事はハーシム家で、イギリスは敵同士の両者を支援していました。
他にもイギリスは「イギリスの三枚舌外交」と呼ばれる三つの協定、すなわち
①フサイン=マクマホン協定(勝利により、アラブ人統一国家の建国支援をフサインと約束)
②サイクス・ピコ協定(勝利により、アラブの土地をフランスと分割統括をフランスと約束)
③バルフォア宣言(勝利により、パレスチナの土地にユダヤ国家建国をロスチャイルド家と約束)
が結ばれ、一連の矛盾外交によって生じたパレスチナ問題や、現在も不自然な国境で分断されているクルド人問題などの遠因となったとも言われています。
※2ハーシム家はイスラム教の預言者ムハンマドの曽祖父ハーシムが由来で、イスラムの中でも超名門です。いまでも、イラクとヨルダンはハーシム家が王室となっています。
では、1925年にハーシム家はサウード家に敗北したのに、イラクとヨルダンでハーシム家は王室として残っているかという疑問がわくと思います。
これはまたアラビアのロレンスが関係しています。ロレンスはヒジャーズ王国の初代王となるフサイン・イブン・アリーの3男ファイサル・イブン・フセインと共闘して、オスマントルコに勝利します。
そこで、ダマスカスのアラブ民族会議により、ファイサルはシリア・アラブ王国の国王に選出され、兄のアブドゥッラー1世もイラク王に選出されました。
しかし、サイクス・ピコ協定でフランスがシリアを占領すると、シリア・アラブ王国の初代王予定だったファイサルはフランスに追放されることになり、サイクス・ピコ協定が優先され、フサイン=マクマホン協定を守れないと困ったイギリスは自国委任統治領であったイラクの王として、ファイサル(ファイサル1世、初代イラク王)を置き、当初初代イラク王の予定だった兄のアブドゥッラー1世はイギリス委任統治領であったヨルダン初代王としました。
ちなみに、バルフォア宣言により、イスラエルが建国されましたが、ユダヤ人とアラブ人との領土問題で中東戦争(1948-1967年)が勃発しました。
もし、イギリスのインド総督がサウード家に支援しなければ、サウード家は王室になることはなく、ハーシム家によるアラブ統一国家が建国され、湾岸戦争は起こらず、しいては911のようなテロもおこらなかったように思います。
なぜ、サウード家が湾岸戦争に関係するのでしょうか。
その一因は石油の価格があります。イラクはイラン・イラク湾岸戦争で大きな借金があり、その返済には石油価格をあげる必要がありましたが、OPECは価格上昇には賛成しませんでした。
さらに、アメリカの干渉があって、サウジアラビア(サウード家)とクウェート、アラブ首長国連邦がOPECの割当量を超えた石油の増産を行い、原油価格はさらに値崩れを起こしました。
1つ問題なのはサウジアラビアは国としてはOPECの割当量を守っていましたが、国有油田とは別にサウード家の私有物として石油を採掘したことです。
このようにサウード家がOPECの割当量を守っていたら、小国であるクウェート、アラブ首長国連邦も割当量を守っていたと思われます。
このようにイギリスがサウード家を援助しなければサウジアラビア王国がなく、ハーシム家だけのアラブ国家なら、石油の価格を調整できるため価格下落せず、またイラクはイラン・イラク戦争で疲弊していたため、わざわざ戦争したくはなく、クウェート侵攻・湾岸戦争は起きなかったと思います。
では、なぜアメリカは上記の干渉をしたのでしょうか。
それは、アメリカはイラン・イラク戦争でイラクに武器提供し、さらに利益を得るため※3、イスラエルを介してイランに武器提供しました。
アメリカはイランへの武器提供によって戦争が長期化・拡大し、さらに武器で利益を拡大させています。
※3 他の理由として、あくまで疑惑ですが・・・テヘランのアメリカ大使館占拠事件人質解放の取引条件で下記の条件2イランへの武器供給があるともいわれています。
条件1:ホメイニ他イラン政府関係者に賄賂をおくる
条件2:イランへ武器供給する
条件3:人質解放時期をレーガン大統領就任時まで延長する※4
※4 この交渉はロナルド・レーガン大統領候補とレーガン政権の副大統領へ転身を企むジョージ・H・W・ブッシュ(父ブッシュ)とレーガンの選挙チーム責任者ウイリアム・ケイシー(後のCIA長官)が画策し、カーター大統領在任中に人質事件を解決させないことで彼の人気を落とし、レーガン大統領就任時に人質解放を実現することで「強いレーガン大統領」を演出することであったとされています。
ちなみに、大統領選挙でカーターは敗北し、1981年1月20日、ロナルド・レーガンが第40代アメリカ合衆国大統領に就任した日に、事実、人質となっていたテヘランのアメリカ大使館員らも無事解放され、444日ぶりに生還しました。
サウジアラビアとアメリカとテロについては下記から見てください。
http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11091469713.html
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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コメント
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勉強になります !!
流れで教えてもらえると頭に入り易いですね。
この辺りのこと、今までわかろうともしていなかった気がします。
何度も読み返します^^
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勉強になります !!
流れで教えてもらえると頭に入り易いですね。
この辺りのこと、今までわかろうともしていなかった気がします。
何度も読み返します^^
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>boofooさん
皆様にお役に立つことを考えて情報発信させていただいておりますので、勉強になるとのことで、非常にうれしく思います。
今後もさらなる勉強になるブログを書かせていただきますのでよろしくお願いします。
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>boofooさん
皆様にお役に立つことを考えて情報発信させていただいておりますので、勉強になるとのことで、非常にうれしく思います。
今後もさらなる勉強になるブログを書かせていただきますのでよろしくお願いします。
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ペタをありがとうございました。
今、アブダビにおりますが、仕事でサウジアラビアも関係しています。
素晴らしい調査資料ですね。
サウジはイスラムの宗主国なのでイスラムの教えに対して厳格で、滞在するには息苦しくて苦手にしています。
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ペタをありがとうございました。
今、アブダビにおりますが、仕事でサウジアラビアも関係しています。
素晴らしい調査資料ですね。
サウジはイスラムの宗主国なのでイスラムの教えに対して厳格で、滞在するには息苦しくて苦手にしています。
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>Jinさん
サウジは旅行しましたが、あまり仕事しないみたいですね。
また宗教警察がたくさんいて、写真も撮るにも苦労しました(笑)
アブダビは国際化して、ビジネスマンを多くて、以前よりずっとよくなってますね。
夏はかなり蒸し暑いですが。
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>Jinさん
サウジは旅行しましたが、あまり仕事しないみたいですね。
また宗教警察がたくさんいて、写真も撮るにも苦労しました(笑)
アブダビは国際化して、ビジネスマンを多くて、以前よりずっとよくなってますね。
夏はかなり蒸し暑いですが。