奴隷貿易が世界に与えた影響 ⑦労働基準法・労働組合

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 黒人奴隷貿易が影響についてシリーズ化してブログに書いています。

今回は黒人奴隷貿易からの影響として、スラム街、労働基準法、8時間労働、労働組合の起源について説明したいと思います。

 本題に入る前に過去の内容を整理します。

 

 イギリスは、自国で生産した武器・火薬、綿織物をアフリカで売り、アフリカ人(黒人)はそれを使ってアフリカ黒人を捕獲し、イギリスに奴隷を銃火器の対価として渡しました。

(銃火器と奴隷の交換)

奴隷は南北アメリカ大陸や、カリブ海の島々などの植民地へ運ばれ、労働力となり、その奴隷によって作られた砂糖や綿花、コーヒーなどはヨーロッパに輸入しました。

(奴隷と農作物の交換)
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このようにイギリス、アフリカ、南北アメリカ(またはカリブ海の島々)の貿易を三角貿易(海流に乗った荷物・奴隷の積み下ろしで効率的な貿易)により、砂糖などの輸入物はヨーロッパで爆発的に売れ、イギリスに巨大な富をもたらし、産業革命を可能にしました。

ここから本題です。18世紀、イギリスでは、産業革命によって貧しい農民が職を探して工業都市へ流れ、大量の労働者が生み出されました。

人口増加例は下記の通りです。
・マンチェスター1760年3万人、1861年46万人

  (100年間で約15倍)
※世界の工場とよばれた中心地

 

 ・リヴァプール1760年4万人、1861年49.4万人

  (100年間で約12倍)
※三角貿易の中心地

このような人口増加に住宅建設が追いつかず、上下水道も整備されない中で、住宅問題、衛生問題が発生しました。

さらに、低賃金や失業などから極端な貧困生活をおくる人も増えると同時に犯罪も増え、いわゆるスラム街が、歴史上初めてイギリスに出現しました。

当時の「平均寿命の比較調査」では、ラトランド州(農村地帯)では「知識層・地主」は52歳、都市労働者は38歳となっていて、都市は大気汚染や伝染病の蔓延など、劣悪な衛生環境だったことが想像できます。

このような低賃金、労働災害の無保障などの貧しい生活と過酷な労働環境の中で、労働者は環境改善のため団結して労働運動や機械打ちこわし運動(ラッダイト運動※)を起こすようになりましたが、厳しい弾圧を受けました。

 

※ラッタイド運動はノッティンガムのネッド・ラッドなる者が靴下製作機を破壊したのが最初で、その行為が各地で模倣され、ラッドの名前から機械破壊者はラッダイトとして言われるようになりました。

そんな繰り返しの中で労働運動の高まりの中、児童労働、長時間労働のひどい実態が明らかになり、1802年、イギリスにおいて世界で初めて労働基準法(工場法)が施行され、次々と改正されました。

・1802年…エリザベス救貧法の教区徒弟の健康と道徳に関する法律

・1819年…繊維工場の児童・年少者の労働時間の制限

1833年…繊維工業の工場が対象で下記の通り。
①9歳未満の少年労働を禁止
②13歳未満のものの労働時間を一週間48時間
③18歳未満のものは一週間69時間
④その監督をする工場監督官※の配置を義務化(任命)
※この監督官は世界初の労働Gメンとなるもので、工場法の違反を防止し、摘発するために工場への立入調査権を持ち、また工場地域の住民の状態を調査し、その改善策を提案するために、政府に定期的に報告書を提出しました。

・1844年改正…女性労働者の労働時間を18歳未満の労働者(若年労働者)と同様な制限。

・1847年改正…若年労働者と女性労働者の労働時間を1日あたり最高10時間に制限。

・1867年改正…繊維産業のみならず、50人以上の工場全般が対象。

・1874年改正…週56時間労働制の実施

         (平日:月~金10時間まで、土曜は6時間まで)。

1833年工場法が特に重要で、工場監督官の義務化で法律が機能するようになり、また現代の8時間労働のはじまりといわれています。

他には1847年まで、女性と子供の規制が中心となっています。というのも工場労働者の約75%は、女性と子供でした。


イギリスの工場法から、各国で制定・改正されるようになり、1919年に採択されたILO(国際労働機関)第1号条約では1日8時間・週48時間労働を定めるなど、労働条件・労働時間規制が進んでいきました。

 

 

 私たちが馴染みのある8時間労働制の原点は1833年イギリスにあったですね。

一方、工場法が改正される中、労働運動の障壁となったいた団結禁止法を革命運動家フランシス・プレースらの努力により1824年に撤廃され、働く者は「人間らしい生活」を求めて立ち上がり、世界初の労働組合を結成し、ストライキなどの手段で雇主に改善要求を訴えたのです。

 

 また、工場労働者になると出勤時間や労働時間で一日の公私が区切られ、労働時間は自分の時間ではなく、労働時間が終わってプレーベートの時間になるという時計にしたがった生活が始まったのです。

以上、今回をまとめると、奴隷貿易を中心とした三角貿易から以下のように影響していきます。
⇒産業革命の勃発(発明資金)

⇒産業革命の拡大化(工場設立資金、原料の調達)

⇒労働者の急増、労働環境の悪化

⇒現代への影響は下記の通り
①世界初のスラム街
②世界初の労働基準法、労働組合
③8時間動労のはじまり
④時計にしたがった生活のはじまり

 

 

◎つづきは次から見てくださ
い。

『奴隷貿易その12~世界に与えた影響⑧編~』
 黒人奴隷貿易が影響についてシリーズ化してブログに書いています。  今回は黒人奴隷貿易からの影響として、「社会主義思想の芽生え」について説明したいと思います。…

 

◎奴隷貿易の最初(奴隷貿易その1)から見られたい方は下記をクリックしてください。

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11613793711.html

 

◎奴隷貿易が世界に与えた影響の最初(奴隷貿易その4)から見られたい方は下記をクリックしてください。

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11644847378.html

 


■本ブログ全体の目次は次から見てください。  (世界遺産、海外ドラマなどあります)

 http://ameblo.jp/la-luna-sarah/entry-11076468738.html

 

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最後まで読んでいただきありがとうございました。

 

 

コメント

  1. みくりん より:

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     冬のネパールは山の景色が一番綺麗だと
    聞きます。私は8月に行ったのですごく積もって
    なかったので羨ましいです。
     でも、雪山ですからくれぐれも気をつけて行ってきて下さいね。≧(´▽`)≦

  2. みくりん より:

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     冬のネパールは山の景色が一番綺麗だと
    聞きます。私は8月に行ったのですごく積もって
    なかったので羨ましいです。
     でも、雪山ですからくれぐれも気をつけて行ってきて下さいね。≧(´▽`)≦

  3. みくりん より:

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     冬のネパールは山の景色が一番綺麗だと
    聞きます。私は8月に行ったのですごく積もって
    なかったので羨ましいです。
     でも、雪山ですからくれぐれも気をつけて行ってきて下さいね。≧(´▽`)≦